西国街道
西国街道とは、江戸時代における山陽道の呼称である。京都から下関までの経路で、律令時代に整備された大路と一致する。
概要
山崎通
西国街道のうち、特に六宿駅、山崎宿(大山崎町・島本町)・芥川宿(高槻市)・郡山宿(茨木市)・瀬川宿(箕面市)・昆陽宿(伊丹市)・西宮宿(西宮市)が設けられていた京都から西宮の区間を指し山崎通といった。大坂を経由せずに西国へ抜ける脇街道として西国大名の参勤交代に利用され繁栄した。現在、旧街道に並行するように国道171号線が京都〜西宮間を結んでいる。なお、大坂経由の街道として京街道(京〜大坂)・中国街道(浜街道)(大坂〜西宮)が整備されており、これらは現在でも主要な幹線道路のルートとして引き継がれている。
徳川道
また、幕末には、1867年(慶応3年)の神戸開港に伴い、生麦事件のような外国人と大名行列の衝突を避けるために、石屋川(神戸市東灘区)〜大蔵谷(明石市)間を六甲山中を抜けて迂回する西国往還付替道も開削された。しかし、開通3ヶ月後の1868年(慶応4年)3月に、外国人居留地を小迂回する別の道が設けられ、あまり使われないまま廃れていった。現在、神戸市・明石市内に部分的に残る西国往還付替道は、地元では徳川道と呼ばれている。
宿場一覧
寛文9年銘道標(市指定文化財)京都東寺
山崎 (大山崎町・島本町)
芥川 (高槻市)
郡山 (茨木市)
瀬川 (箕面市)
昆陽 (伊丹市)
西宮 (西宮市)
大蔵谷 (明石市)
加古川 (加古川市)
御着 (姫路市)
姫路 (姫路市)
正條(たつの市)
片島(たつの市)
有年(赤穂市)
三石(備前市)
片上(備前市)
藤井(岡山市)
岡山(岡山市)
板倉(岡山市)
川辺(倉敷市)
矢掛(矢掛町)
七日市(井原市)
高屋(井原市)
神辺(福山市)
今津(福山市)
尾道(尾道市)
三原(三原市)
本郷(三原市)
西条(東広島市)
海田市(海田町)
広島(広島市)
廿日市(廿日市市)
玖波(大竹市)
関戸(岩国市)
玖珂(岩国市)
高森(岩国市)
今市(周南市)
呼坂(周南市)
久保市(下松市)
花岡(下松市)
徳山(周南市)
福川(周南市)
富海(防府市)
宮市(防府市)
小郡(山口市)
山中(山口市)
船木(宇部市)
厚狭市(山陽小野田市)
吉田(下関市)
小月(下関市)
長府(下関市)
下関(下関市)
備考
現代において、かつての西国街道やそれに並行する国道・県道等のことを岡山県内や広島県東部では、「西国街道」とは呼ばず、「旧山陽道」と呼ぶ。その理由としては、岡山県岡山市〜広島県福山市にかけて国道2号が、かつての西国街道に並行したルートを通らず、鴨方往来に並行したルートを辿っているためである。






戻る inserted by FC2 system