甚兵衛渡船場

昔、尻無川の堤は紅葉の名所であった。「摂津名所図会大成」に大河の支流にして江之子じまの北より西南に流れて寺島の西を入る後世この川の両堤に黄櫨の木を数千株うえ列ねて実をとりて蝋を製するの益とす、さらば効用の時節にいたりては川の両岸一圓のくれないにして川の面に映じて風景斜ならず騒人墨客うちむれて風流をたのしみ酒宴に興じて常にあらざる賑ひなり河下に甚兵衛の小屋として茶店あり。年久しき茅屋にして世に名高し。」とあり、甚兵衛によって設けられた渡にある茶屋は「ハマグリ小屋」と呼ばれて名物の蜆、蛤を賞味する人が絶えなかったという。
現在も甚兵衛渡船場は健在で、大正区泉尾7丁目と港区福崎1丁目を結び(岸壁間94メートル)、朝のラッシュ時は2席の船が運航している。平成13年度の平均1日利用者は1580人を数える。

 



2009年3月21日に撮影

・大正区泉尾7丁目13-32:地下鉄、JR対象駅から市バス「新千歳」方面息(98、98A、108系統)「泉尾4丁目」下車、西へ徒歩5分

・港区福崎1丁目3-50:弁天町バスターミナルから市バス106系統「福崎1丁目」下車、南東へ徒歩5分(夕凪からは12分)

 

戻る
inserted by FC2 system